シリコンバレー シーズン6「第7話 終わりのイベント」(最終話)感想

ついにこのときが来てしまいました。
前回、パイパー・ネットを進化させ危機を乗り越えたたリチャードらパイド・パイパー社の面々。シリコンバレーという物語の最後はどのようなお話になるのだろうか。
シリコンバレー シーズン6「第7話 終わりのイベント」(最終話)感想です。

あらすじ
起死回生の逆転劇でイベントを大成功させたパイドパイパーは、大手電話会社と巨額の契約を果たした。しかし、完成したネットワークには重大な問題があることが判明。リチャードは手筈を整えて発表会に臨むが…。

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シーンはいきなり10年後。
パイド・パイパー社の面々がドキュメンタリーの取材を受けており、これまでの出来事を振り返るトークでスタート。

ローリーがいるのは刑務所!?囚人服でインタビューに答える10年後ローリー。
ヤオネットの失敗を押しつけられたのかな?

パイパー・ネットのローンチ

そして始まる10年前のお話。
AT&Tに納品が完了したパーティーがパイド・パイパー社で行われている。
ラス・ハンネマン、ビッグヘッド、ついでにチアン・ヤンも参加している面白い空間。会話ではアーリックにも触れられていて、シーズンを見続けてきた私はこの時点で感慨無量。

リチャードがモニカに送信したメッセージがきっかけで、パイパー・ネットの問題を発見するリチャード。
いつもの面々が集められ、数日後に迫ったローンチまでにこれをどうにかしなければと考えるリチャードだが、後から現れたギルフォイルは容易ではないと指摘する。

今回は10年後と10年前が切り替わり展開する構成で、10年後のギャビン・ベルソンは結局IT業界を離れ、慈善家・作家として一応の成功を収めている様子。共著ということで、以前に盗作した小説家を巻き込んだのか(笑

俺たちでモンスターをつくったんだ殺さなければならない

パイパー・ネットに生じている問題は、なんとAIと圧縮アルゴリズムが互いに効率化を繰り返し、社内メッセージの暗号化を解読しリチャードのメッセージに不具合が現れていたとのこと。
すなわち、バグではなく最高のシステムが正常に稼動しているからこそ発生する問題で、これをそのままローンチするといずれは核ミサイルの発射コードまで解読されてしまうという危険な代物であることが判明した。

「We built a monster. We need to kill it.」

ギルフォイルの言葉に動揺する一同。
モンスターではなく最高のネットをつくった。修正すれば使えるはずとリチャード。

その危険性から思い直し、ローンチを失敗に仕立て上げてのキャンセルとシステムの破壊を決定するリチャード。
ディネシュは反対するが、ギルフォイルの手配でパイパー・ネットがディネシュのテスラを自動運転するところを見せられる。

テスラの暗号はCurve25519という「世界一安全な離散対数パラメータ」ということで、パイパー・ネットはこれを2時間47分で解析してしまったことから、ディネシュも同意…せず、自分はチャンスを大失敗に仕立て上げることに協力出来ないので、自分が阻止することが出来ないようアカウントを消し排除してくれと懇願。
ジャレット曰く「かなり強気で弱気な発言」

失敗の失敗は失敗

街中ではパイド・パイパー仕様のスマートフォン発売に行列が出来る。
iPhoneの発表を思い出しますね〜
行列を見かけたディネシュは、あえてパイド・パイパー社の人間であることが分かる格好で行列にドーナッツを配る。途端に群衆に囲まれるディネシュ。写真もせがまれ人気者ですね。

リチャードは大規模な会場でパイパー・ネットの発表を行う。
ジョブズが行うの基調講演のような雰囲気。
ここで発表するパイパー・ネットはリチャードの決定通り、大失敗するように仕込まれている。

しかしこのコードが、地下のジョンとゲイブによりミスと考えられ正常なものに差しかえられてしまいます。
失敗するように仕込まれたコードが正常なコードに差し替わるが、失敗するコードをローンチするのが正解で正常なコードが危険というややこしい状態。

失敗作戦に協力出来ないとして会場外にいたディネシュは、ゲイブからこのことを聞かされ奔走。失敗作戦のコードが書き替えられ、正常な(危険な)コードが世に出てしまうことをジャレットたちに伝えようとするが、階段を急いで登りながらの音声入力で意味不明な内容に…

ピーター・グレゴリー

壇上ではリチャードが開発に費やした6年間について語る。
ピーター・グレゴリーが師匠であったと語るリチャード。
ピーター・グレゴリーはシーズン1に登場したキャラクターで、役者さんがお亡くなりになり、劇中でも亡くなったことになっている人物。
このシーンはさすがに感極まりました。
オチでギャビンについても語るかと考えていたけど、さすがにそれはありませんでした。

どうにかして端末にたどり着き、失敗コードに戻そうとするディネシュ。
しかし自ら望んだアクセス拒否によりコードの更新が阻まれる。
ギルフォイルに電話をしてコードの入れ替えを伝え「失敗コードに戻すのでアクセスを許可してくれ」と懇願。
電話はグループ通話に切り換えられ、リチャード、ギルフォイル、ディネシュ、ジャレット、モニカが会話に参加する中、ディネシュを信用するか否か決断を迫られるリチャード。

壇上ではローンチのカウントダウンが行われる。

「10, 9, 8, 7, 6, 5…」

決断出来ないリチャードに代わり、ギルフォイルが決断。ディネシュのアクセスを許可し、ディネシュは失敗コードに入れ替える。
これは結果としてギルフォイルがディネシュを信用した形になる。
長年の縁で育まれた信用…とは感じられないところが実に二人らしい(笑
とはいえ、これも最終シーズンならではの連携かな。

ハーメルンの笛吹き男(The Pied Piper of Hamelin)

妨害コードの電波が弱く、失敗作戦に失敗かと思われた次の瞬間、会場にはネズミの大群が現れ大混乱に。
ケータイから漏れた電波にネズミが反応したとのことで、大ニュースになる。
失敗作戦は失敗したが、思いもよらぬネズミの大群により大混乱させるという失敗作戦に成功する(ああややこしい
ここにきてハーメルンの笛吹き男(The Pied Piper of Hamelin)をとりいれる展開の妙に痺れます。

10年後シーンになり、その大混乱劇を語るギャビン、ラス、ローリー。
直後の10年前シーンでは、弁護士を従えてパイド・パイパー社のクローズを発表するリチャード。

その後のシーンでは、劇中の人物として本物のビル・ゲイツがビル・ゲイツ役で登場。パイパー・ネットについて、コメントを残していました。

撤去されるパイパー・ネットの看板を眺めながら、「正しいことをして世界を守った」と語るパイド・パイパー社の面々。

再び10年後に切り替わり、アメリカに居づらくアーリックを探しにチベットへ行ったという話をするリチャード。
再就職は難しかったが、スタンフォード大学の学長に収まっていたビッグヘッド(ネルソン・ビゲティ)に雇われ、現在は教授として働いていることが語られる。
シーズン1で追い出し、シーズン4では騙して利用しようとしたビッグヘッドに救われるという熱い顛末。

ギルフォイルとディネシュは会社を立ちあげ、ジョンもそこにいる。

モニカは非営利団体であるシンクタンクで働いていると話しているが、NSA(アメリカ国家安全保障局)かと問われノーと答えるもタバコを吸う(笑

ジャレットは老人介護の仕事をしているようで、この日はパイド・パイパー社の面々、ビッグヘッドと共に始まりの地であるアーリックの屋敷を訪れるという展開。

ALWAYS BLUE!

屋敷で合流すると、インキュベーターは存続していたが、チアン・ヤンが亡くなったことを知らされる。
かつてのオフィスを眺め談笑するキャラクターたち。
ケーブルを通すためにギルフォイルが開けた壁の穴は塞がれていた。
自暴自棄になりドアを蹴破った思い出を語るリチャード。

それぞれ、ネットワークを維持するためにケーブル(距離)を節約したときと、パイパー・ネットのベースになるロジックがギャビンのものであると判明したときのことですね。懐かしい〜

ドキュメンタリーのスタッフがアーリック・バックマンを探しに訪れた場所では、アーリック・バックマンを名乗りタバコを吸う小柄な中国人がシルエットで登場。なるほど(笑

屋敷ではジャレットが持参したスイッチピッチで遊ぶ面々。
ALWAYS BLUE! ALWAYS BLUE! ALWAYS BLUE!

屋敷にいたスタンフォードの学生は、パイド・パイパー社もパイパー・ネットも知らないという。
切ないな〜

ドキュメンタリーの最後に当時のコードを保管しているUSBメモリーをスタッフに公開しようとするリチャードだが、引き出しを探しても見つからない。
USBメモリーを探すリチャードのシーンで、シリコンバレーという物語はお終い。

シリーズの序盤ではどのベンチャーも「世界をより良く」と語り始まったシリコンバレーでしたが、ITなんてものが必ずしも人々の暮らしを良くするものではないというメッセージにも感じられました。

シリコンバレーは、これまでに見たどのエンターテインメントよりも面白く、本当に本当に本当に大好きな作品です。
同作らしくドタバタの冗談劇で終わるかとも予想していましたが、ここまでキッチリと最後を描き、感動を損なわない程度の「らしい」ハプニングで締めてくれたことも嬉しい。

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